地球規模ビッグデータの統融合
自然環境ならびに社会経済生活にかかわるビッグデータを活かし、地球規模課題の解決に貢献します。
気候変動を考慮した自然災害対策
地上観測や衛星データ、気象予測モデルなどを統合的に用いて、自然災害の軽減に役立てます。
© World Bank
東京大学が2006年より構築してきたデータ統合・解析システム(DIAS)を基盤として、1) 水循環と水関連分野の観測データや数値モデル、社会経済データの効果的な統融合研究を推進し、2) それにより得られる科学知を体系化した教育を行うとともに、3) 国内外での調整を通したDIASの広範な社会実装および公共的利益を創出する広域ネットワークの確立を目的として設置されました。
観測データや数値モデル、社会経済データを効果的に統合するDIASを用いて、水循環と環境・災害・経済などの水関連分野のデータや情報を統融合し、それにより得られる科学知を体系化して広く社会に実装し、公共的利益を創出します。またそれを通じた地球規模課題の解決と、持続可能な開発への貢献を目指します。
ビッグデータの統合と解析を通じた科学的知見の創出
データ統融合により得られる科学知を体系化した教育の実施
気候予測による水害軽減など地球規模課題解決への貢献
本寄付講座では、地上観測や観測衛星から得られたデータと、気象予測モデルや地理情報、社会経済情報を統合的に用いて、水害の軽減や水資源管理に有用な情報を提供し、社会インフラ整備の計画立案や施策決定に応用します。また、気候、生物多様性、農業、都市、災害、経済の各分野と水分野のデータモデルを結合するデータ基盤を構築し、地球規模課題解決のためのパイロットスタディを国内外で推進します。
国内外の研究グループ、諸機関との協力と調整によって、水循環と水関連分野のデータや情報の統合的利用が進められ、データ・情報基盤の応用開発が進みます。また多様なステークホルダーとの協働により、解析手法やデータ同化、予測モデル等を分野を超えて連結する試みも促進されるでしょう。これらを通して、自然界・人間社会の理解や予測に加え、得られた科学的知見が広くグローバルで共有される環境づくりが進みます。
本寄付講座は、2014年6月1日、日本工営株式会社の支援により開設されました。ビッグデータの統融合による社会インフラ開発分野への貢献とともに、学術研究者と実務技術者の提携により得られた研究成果が、広く実践の場で公開・活用できることを目指しています。
多様な分野のデータや情報をモデルによって統融合し、分野間連携を進めるワークベンチを企画、設計、開発するとともに、意思決定者がそれらを簡易に用いて意思決定に反映できる支援ツールを開発することによって、社会が抱えるさまざまな問題に対し、環境問題の解決や計画立案に資する調査・研究と教育活動を指導します。
小池俊雄 特任教授
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